オクトパス高橋の女はつらいよ

シャネルはこんな言葉を残しました。「20歳の顔は自然からの授かりもの、30歳の顔はあなたの生き様。50歳の顔はあなたの功績。」40歳の顔はどんな顔よ?世界中の女性が幸せを掴みますように!

19年前

オレンジネコとたぬこさんは19年一緒に暮らしている家族です。

オレンジネコは猫。

たぬこさんは人間です。

 

出会いは夜の恵比寿。

オレンジネコが仲間たちと一列に行進しているところを

たぬこさんがナンパしました。

 

最後尾を歩いていたオレンジネコにたぬこさんは声をかけました。

「オレンジさん。こんばんは。ひとり?」

どう見ても一人じゃありません。

でもオレンジさんはこちらへ近づいてきて、「あれ?知り合いだっけ?」という

お顔をしながら、挨拶を返してくれました。

 

たぬこさんは言葉巧みにオレンジさんを誘い出し、

自宅へ連れ帰りました。

夏の終わりの暑い夜。

こうしてオレンジネコとたぬこさんの生活は始まりました。

 

さて、たぬこさんは猫と暮らすのは初めてです。

まず知識がなくてはいけないので、本屋へ出向き、

ありとあらゆる猫にまつわる本を買い、

骨格標本まで読み漁りました。

 

そしてたくさんのご飯とおやつをあげて、

オレンジネコは大きく育ちました。

 

でも心はなかなか開いてはくれていないようです。

なぜだろう?

たぬこさんは深く考えてみました。

 

答えは意外と簡単でした。

たぬこさんはごはんをあげたり、ブラッシングしたり、

追いかけっこすればオレンジネコが喜ぶと勘違いしていました。

 

心から話し掛けてはいなかったのです。

心から大切だよと伝えていませんでした。

 

留守番をさせても、ありがとうも言わず、

話し掛けない日もあったくらいです!

 

原因は自分にあったのです。

 

もし自分がオレンジネコだったら、どう思うだろう?

寂しくて悲しくて、仲間に会いたくて、

でも会えなくて、孤独でつらくて耐えきれないかもしれません。

 

そう。たぬこさんはダメなところがたくさんあります。

完璧にこなしたいけれど、

そううまくはいきません。

 

オレンジネコとの日々もたくさんの山や谷が待ち受けていることでしょう。

でも、精一杯オレンジネコを愛することを心に誓いました。

 

オレンジネコとたぬこさんは対等な関係です。

例えるなら、頼りないちょっとダメな母親と

気もチカラも強いヤンチャな男の子。

 

でも不思議と二人の絆はどんどん強くなっていくのでした。